ファームウェアがアップデートされるたびに、Alesis Strike Kitはより賢くなり、ハイハットを含む各プレイヤーに自動的に適応する能力が向上しています。

ハイハットの自動キャリブレーションと、レスポンスを微調整するための新しい機能設定は、ハイハットの感触を向上させ、キット全体をより満足のいくものにします。

この記事では、物理的なセットアップ、セッティングの調整(必要な場合)、ハイハットが期待通りに反応しない場合の対処方法など、ハイハット設定のステップをカバーします。


このガイドを紹介する前に、Strikeモジュールの最新のv1.4ファームウェア・アップデートをインストールすることをお勧めします。Strikeの製品ページからダウンロードし、インストールとセットアップのガイドを参照してください。



 目次


  1. はじめに

  2. ハイハットのセッティング

  3. セッティングの微調整

  4. デフォルト設定

  5. トラブルシューティング

    ・キットを新しい場所に移動したら、ハイハットの反応が変わってしまいました。

    ・ハイハットを閉じた状態でオープン・ハイハットの音がトリガーされたり、

     ハイハットを開いた状態でクローズド・ハイハットの音がトリガーされたりします。 

    ・ペダルを強く踏み込まないと、クローズドサウンドが出ない。

    ・チック音やクローズ音のトリガーが多すぎたり少なすぎたりする。

    ・スプラッシュ・サウンドのトリガーが多すぎたり少なすぎたりする。

    ・ALESISのロゴを叩くと、トップシンバルの反応が良くなる。

    ・ハイハットのボウやエッジのトリガーがうまくいきません。どうすればいいですか?



はじめに


すべてのドラマーや演奏スタイルを網羅する完璧なハイハットスタンドやプリセットは存在しませんが、このガイドでは、あなたに最適なレスポンスを適応させるために知っておくべきことを説明します。


このガイドに従う一方で、アコースティックであれエレクトロニックであれ、すべての打楽器は独自のタッチを必要とすることを覚えておいてください。

電子ドラムキットは、演奏の信号を正しく受け取り、適切なサウンド、ベロシティ、ボリュームなどで反応するために、明確で意図的な演奏に依存しています。そのため、正しく演奏すれば満足のいく安定した信頼性の高いサウンドが得られますが、アコースティック・ドラムに比べるとミスに寛容ではありません。

いくらセッティングを調整しても、適切な力でパッドを叩き、安定した演奏をできる理由にはなりません。


この記事の目的は、あなたが自信を持ってAlesis Strike Kitを演奏できるように、ハイハットのレスポンスを可能な限り "完璧 "に近づけることです。



ハイハットのセッティング


ストライクキット・ハイハットをうまく設置するための第一歩は、ハイハット・パッドとスタンドの物理的な配置です。ストライクキット・ハイハットは、ほぼ全てのハイハット・スタンドに対応し、あなたの演奏スタイルに簡単に合わせることができます。たとえ、スプリングが上下逆になっていることを考慮して、セッティングを変えたとしても、レスポンスが悪くなるだけかもしれません。


まずは、セッティングする前に、ハイハットがスタンドに正しく配置されていることを確認することが重要です。


 1. まずは、ハイハット・コントロール・モジュールを取り付けます。

   ただし、ハイハット・コントロール・モジュールをハイハット・スタンドに置く前に、

   シンバル・シートのコントロール・モジュールの真下(つまり、ボトム・ハイハット・シンバルが通常

   置かれている場所)にあるフェルト・ワッシャーを探し、取り除いてください。


   全てのハイハットスタンドではないにしても、ほとんどのハイハットスタンドには、ボトムハイハット

   シンバルを保護するために、その下に敷くフェルトワッシャーやパッドが付属しています。

   このフェルトを取り除かないと、Alesisのハイハットとコントロール・モジュールに不必要な

   サスペンションが加わり、ハイハットが予期せぬ動きをすることがあります。


   最も正確でコントロールされたレスポンスを得るためには、このフェルトを取り外し、

   ハイハット・コントロール・モジュールがハイハット・シンバルのシートの上に直接置かれている

   ことを確認してください。


 2. ボトムシンバルから出ている小さい方の1/8 "ケーブルが、ボトムシンバルが上に乗っているハイハット

   モジュールに差し込まれていることを確認してください。このケーブルは、ハイハットペダルが閉じて

   いることをモジュールに伝えます。

 

 3. ボトムシンバルの上に載っているスプリングは、黒い "ストッパー"が上側にあり、トップ・シンバルに

   近く、また、シンバルの内側に下がっていないことを確認してください。

   この "ストッパー"がボトムシンバルの内側で逆さまになっていると、正しく機能しません。

 

 4. ハイハットのクラッチを緩め、トップシンバルをスプリングの上に置きます。

 

 5. この時点で、セットアップのオプションが多少優先されます: 


   ・ハイハット・クラッチをそのまま締めても構いません。

    オープン時にトップとボトムのハイハットシンバルがもう少し離れている方が

    良いというユーザーもいるでしょう。

    このような場合は、トップシンバルをスプリングから少し、つまり2,3cmほど引き上げること

    をお勧めします。

    ただしトップシンバルをスプリングから浮かせすぎると、ハイハットペダルを "ストンプ"した

    ときに、予期せぬ動作をすることがあります。


   ・スプリングを押し下げてからクラッチを締めるのはお勧めできません。

    2枚のハイハットシンバルがより頻繁に接触するようになるだけでなく、スプリングが圧縮されること

    で、モジュールがハイハットの音の区切りや繋ぎを正しく鳴らすための使用できるデータ量が制限

    されてしまいます。


 セットアップの際には、パッドのALESIS ロゴの位置に注意してください。

 ロゴはあなたから最も遠い位置にあるべきです。より良い反応を得るためにこの位置を変える必要が

 ある場合は、下記のトラブルシューティングのセクションを参照してください。



セッティングの微調整


ほとんどのユーザーは、自動キャリブレーションでハイハットの最適化プロセスを完了します。

しかし、いくつかの調整可能なパラメーターがあり、それを正しく使用することで、ハイハットのパフォーマンスを

さらに明確にすることができます。


これらの設定は、特定の動作を修正するためにのみ使用し、十分に理解せずに設定を変更すると、レスポンスが悪化する可能性があることを留意してください。

調整は、迷走してしまわないよう、少しずつ、そして以下の推奨する通りに行ってください。

最良のレスポンスを得るためにはバランスの取れた設定が必要ですが、ある設定を調整すると別の設定も調整し直す

必要がある場合は、調整するパラメーターを間違えている可能性があります。


 ・Offset - Offsetパラメーターは、ハイハットペダルが実際に閉じる位置(2つのシンバルが実際に

      触れる位置、または閉じていると考えられる位置)をStrikeが補正するのに役立ちます。

      例えば、この値が低すぎると、ハイハット・シンバルはクローズド・サウンドや チックサウンド

      (ハイハットペダルを踏んだ際になる音)を奏でることができません。

      このパラメーターは全体的なパフォーマンスにとって非常に重要ですが、これを正しく設定

      すれば、あとはすべて個人の好み次第です。


 ・Foot Sens - チックサウンドのダイナミックさを調整します。

        高く設定するほど、チックサウンドは大きくなりますが、ダイナミックさは減少します。

        よりニュアンスのある演奏をしたい場合は、ここを少し低めに設定すると、大きな

        ダイナミックレンジが得られます。

        ベロシティ・カーブもチック音のダイナミック・レスポンスに影響し、フット・センサーと

        連動します。


 ・Splash - ハイハットでスプラッシュ・サウンドを作るには、ハイハット・ペダルを素早く踏んだり

      離したりする必要があります。スプラッシュ・パラメーターを使って、

      スプラッシュ・サウンドのトリガーのしやすさをコントロールします。

      高く設定するとスプラッシュをトリガーしやすくなるため、高く設定しすぎると誤って

      スプラッシュをトリガーすることが多くなります。


 ・Velocity Curve - チックサウンドのダイナミクスを調整します。

          一般的に、ベロシティカーブは、Strikeモジュールがどのようなベロシティで入力

          (つまり、各ストロークのスピードと圧)を受け取り、それをどのようなサウンドの

          ボリュームレベルに変換するかを決定します。

          各カーブタイプは、ベロシティと出力の比率を特定の方法でスケールします。

          例えば、Linear は最もソフトなレスポンスから最もラウドなレスポンスまで

          ベロシティを均等にスケールし、Log はよりラウドなヒットまで素早くスケールアップ

          し、Exp はよりソフトなヒットを優先します。 

          各ヒットに対してトリガーが反応するようになれば、反応のダイナミクスを演奏

          スタイルに合わせるのに最適です。 

 ・Pedal Curve - クローズド・シンバルとオープン・ハイハット・シンバルの音の出やすさを調整します。

         よりクローズドまたはセミオープンなサウンドをお好みの場合は、対数カーブ(Log 1-4)

         のいずれかをお選びください。

         よりオープンなサウンドがお好みの場合は、指数カーブ(Exp. 1-4)をお選びください。

         Linear を選択すると、これらのバランスが均等になります。


ミスヒットや打ち損じを経験すると、Sensitivityセッティングに手を伸ばすかもしれませんが、ここでのSensitivityセッティングは、あくまでチック/ストンプ(踏み込み)のセッティングを調整するためのものであり、パッド自体の感度が上がるわけではないことを覚えておいてください。



デフォルト設定


調整を行う際、ほとんどの設定は劇的に変更する必要はないことを覚えておいてください。

ファームウェアv1.4のデフォルト・ハイハット設定については、以下のチャートを参照してください:


Hi-Hat Bow Hi-Hat Edge Pedal 
Sensitivity70Sensitivity35Foot Sens42
XTalck RCV03XTalk RCV00Splash80
ReTrigger40ReTrigger40Offset55
Threshold05Threshold05Velocity CurveLinear
CurveLOG1CurveLOG1Pedal CurveLOG1
Input TypePIEZOInput TypeSWITCH  
XTalk Send00XTalk Send00  



トラブルシューティング


このセクションでは、ハイハットの一般的な動作と、以下の特定の症状が発生した場合の対処法をまとめました。

セッティングの調整は、症状を改善させる目的の場合のみ、少しずつ行うことを忘れないでください。もし、一度に複数の設定に手を伸ばしたり、いくつかの値を極端に変更するようなことがあれば、上記のデフォルト設定にリセットして、最初からやり直してください。


 

・キットを新しい場所に移動したら、ハイハットの反応が変わってしまいました。


ハイハットのセッティングは、ハードウェア(ハイハット・スタンドなど)とその物理的な配置によって決まります。トップパッドとボトムパッドの距離を変えたり、ハイハットスタンドを交換したり、ハイハットを置く面を変えたりした場合は、新たな調整が必要になるかもしれません。


実際のドラムセットと同じように、演奏する面や床面によって振動の吸収が良かったり悪かったりします。

例えば、ハイハットが硬いコンクリートの床で最もよく反応するように最適化していた場合、柔らかいカーペットに移動すると反応が鈍くなることがあります。

これはすべてのトリガーに影響しますが、ハイハットは複雑な構造をしているため、キットの他の部分よりも少し感度が高くなります。このような場合、トリガー(ボウ、エッジ、ペダル)の感度を上げたり、スレッショルドを下げたりすることで、各ストロークの力が床に吸収されハイハットの反応が良くなります。


 

・ハイハットを閉じた状態でオープン・ハイハットの音がトリガーされたり、ハイハットを開いた状態でクローズド・ハイハットの音がトリガーされたりします。


もし、クローズドサウンドとオープンサウンドの間の動きのスペクトルが少しずれているようであれば(予想以上に強く押すとクローズドサウンドがトリガーされたり、ハイハットが大きく開いているとミッドサウンドがトリガーされたりします)、カーブ(Curve)の設定を変えてみてください。

よりクローズドな音とミッドな音を強調したい場合はLog 1-4を、よりオープンな音を強調したい場合はEXP 1-4を選択してください。


 

・ペダルを強く踏み込まないと、クローズドサウンドが出ない。


Pedal Curve Setting ペダル・カーブの設定を変えてみてください。Logarithmic Curve (LOG 1-4)を選択すると、クローズドまたはセミ・オープン・サウンドを発生しやすくなります。


 

・チック音やクローズ音のトリガーが多すぎたり少なすぎたりする。


Offsetパラメータは、最終的にStrikeモジュールがハイハットを閉じたとみなす位置を決定します。高く設定しすぎると、ハイハットが完全に閉じていなくても、チック音やクローズ音が過剰にトリガーされることがあります。ハイハットを演奏し始め、できればオープン音とクローズ音の範囲を設定し、クローズ音とチック音が自然に感じられるポイントでトリガーし始めるまで、ゆっくりとOffsetパラメーターを下げていきます。これができたら、上のセクションで挙げた他のハイハットのパラメーターを使用して、さらにレスポンスのボリュームとベロシティを決めることができます。


チック音とクローズ音が十分にトリガーしない場合は、その逆を行います: ハイハットを叩き始め、ハイハット音域の自然なポイントでチック音とクローズ音がトリガーされるまで、Offsetパラメータをゆっくりと上げていきます。


 

・スプラッシュ・サウンドのトリガーが多すぎたり少なすぎたりする。

 

スプラッシュ設定を調整してみましょう。フットワークが大きくなるとスプラッシュが偶然発動することがあるので、スプラッシュの設定を小さくするとスプラッシュが発生する範囲が狭くなります。数値を上げるとスプラッシュの範囲が広がり、ヒットしやすくなります。

 

 


トップシンバルの裏側(ALESISのロゴがある側)を叩いた方が反応が良い場合は、パッドに問題がある可能性があります。サポート・チームまでご連絡ください。


 

・ハイハットのボウやエッジがトリガーできません。どうすればいいですか?


トップ・シンバルが反応しない場合は、まずは、上記のハードウェア・セットアップ・セクションの手順に従ってトップ・シンバルが正しく接続されていることを確認してください。"Hi-Hat"と書かれたケーブルが、トップ・シンバルとモジュールのHi-Hat inputに接続されているはずです。


それでもうまくいかない場合は、クラッシュ・シンバルからケーブルを外し、トップ・ハイハット・シンバルに接続してください。クラッシュ・エッジとボウの音をトリガーできれば、シンバルは正しく動作しており、問題はハイハットの設定か、物理的なセットアップのどこかにあります。反応しない場合は、パッドに問題がある可能性があります。

サポート・チームに連絡して、詳しく調べてもらいましょう。